フリースタイル分娩

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一言でいうと「分娩台に拘束されないお産」のことです。

人間は陣痛に関わらず、痛みを感じるときには自然と楽な姿勢をとっています。例えば、お腹が痛いときは、両手でお腹を押さえながら背中を丸める姿勢をとりますね。お腹が痛いときに仰向けになるのは不自然ではありませんか?分娩台ではまさにそのような姿勢をとることになります。また、色々な姿勢をとることによって、分娩進行が促される効果も期待されます。

当院では畳の上でフリースタイル分娩を行っているので、家族の立ち合いはもちろん、ご主人に手を握ってもらったり、腰をさすってもらったりしながらお産をします。ただ単に場所が畳の上というだけではなく、ご家族をはじめ、助産師が妊婦さんを励ましながら、一緒にお産をすることに大きな意味があると思っていて、これが「いいお産」につながるのではないかと考えています。

一方で、赤ちゃんの安全を妨げるものであってはなりませんが、分娩台で長時間、仰向けになると子宮への血流減少がおこることが知られており、むしろフリースタイルで体を動かすことによって血流減少が予防されます。今のところ(きっと今後も)赤ちゃんにとってのデメリットは無いと思われます。

畳のバースコーナーの隣に分娩台があります。希望されればすぐに分娩台に移動できますが、自然分娩で分娩台を希望された方はここ数年(10年以上?)記憶にありません。
吸引分娩の時のみ分娩台を利用しているのが現状です。

母児同室

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「帰ってからも困らないように」の第一歩です。

退院後は否応なしに、お母さんは常に赤ちゃんのお世話をすることになります。「入院中は赤ちゃんを預かってもらって楽でしたが、退院してからは大変でした。」

これは以前、私が勤務していた病院で出産されたお母さん方からよく聞いたお話です。幸い、日本では産後、数日間の入院期間があるので、この間で赤ちゃんとたくさん触れあって慣れてください。わからないことは質問して、上手くいかないときは手伝ってもらってください。

入院中にスタッフのアドバイスを受けながら「家庭生活の練習」をしておけば、帰ってから戸惑うことはずっと少なくなります。

とはいえ、「母児同室は厳しそう」と思われて敬遠されることもあります。「何が何でも24時間同室すること」となれば、確かに厳しいと思いますが、当院では「赤ちゃんに慣れること」「お母さんの健康状態」のバランスを考えて、睡眠不足などで疲労がたまっているときは赤ちゃんをお預かりしています。

一度、休んでリフレッシュすることも大切なことと考えています。お母さんが倒れてしまっては元も子もないので遠慮なくお預けください。

母乳育児

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あるアンケート調査では「母乳のみで育てたいと」と考えているお母さんは80%を超えていたそうです。

厚生労働省の2010年の統計では生後1-2か月で、母乳のみで育てているお母さんは約50%、母乳とミルクの混合は約40%です。一方、当院で出産された方は、母乳のみが約80%です。

この30%の差は、なぜ起こるのでしょう?母乳育児が上手くいかない場合、最初の数日間でつまずくケースがとても多いことが知られています。入院中に授乳の練習をしてもらうことが、その後の母乳育児にとって、とても重要であることがわかります。

私たちは母乳育児を強制しているわけではありません。母乳について、順序だてて進めることが大切だと考えています。まず、母乳を試してみて、上手くいけばそれで良いし、母乳だけでは満たされない場合に、ミルクを足すようにしています。その割合もひとそれぞれで、その人にあった方法を一緒に進めていきます(最初は母乳の分泌がゆっくりで、退院されてからたくさん出てくるお母さんもいらっしゃいます。その時は、母乳分泌の増加にともなって、ミルクを減らします。)

母乳育児は自転車に似ているといわれます。最初は少々の練習が必要ですが、一旦、身につけると、それで、大体上手くいきます。その少々の練習をする機会が入院中です。

ミルクとの混合栄養のお母さんへ:
なるべく長く母乳をあげるようにしましょう。長く続けることによって母乳の恩恵は赤ちゃんに十分に伝わります。

ミルクで育てているお母さんへ:
母乳で育てることが私たちの最終目標ではありません。しっかりと赤ちゃんを抱いて、たくさん話しかけてあげてください。「赤ちゃんにいっぱい愛情を注いであげること」に勝るものはないと思います。