2021/3/7(日)
ピルの効果と副作用
前回、ピルについてお伝えしましたが、その後いろいろな質問を頂戴致しました。
産婦人科ガイドラインをもとに、ピルについてまとめてみました。
ピルを治療方法の一つとして考える際に、ご参考になれば幸いです。
(ピルの解説)
1-ピルは可逆的避妊法の中で避妊効果において最もすぐれた方法の一つであり、
安全性も高い。
2-月経痛、過多月経の改善効果がある。
3-性感染症の予防効果はない。
4-月経前の不快な症状の改善もピルの種類によっては期待できる。
5-体重増加には関与しない。
6-卵巣癌、子宮体癌、大腸癌の発生頻度は減少する。
子宮頸癌、乳癌はわずかに増加する可能性がある。
7-嘔気や乳房の緊張、不正出血などの副作用が認められることがあるが、3-6周期継続内服していると症状の消失や改善することが多い。また、ピルの種類を変更することにより改善が期待できる。
8-血栓症(これが最も重要!)の発生頻度はわずかに増加するが、妊娠中、産後の女性に比べると低い。脳卒中は高血圧、片頭痛を有する場合に、心筋梗塞は高血圧、喫煙者の場合にそれぞれリスクが上昇する。
(尚、血栓症を起こす確率は①普通の人 1-5人/1万人 ②ピルを内服している人 3-9人/1万人③妊娠中の人 29人/1万人 ④産後の人 300-400人/1万人)
※血栓症を疑う症状が認められた場合は速やかに医療機関を受診すること。
※血栓症は全体の80%の人がピル内服開始から3か月以内に発症している。よって最初の3か月間は4週間処方で経過観察。